つばめ
南の国から燕尾服を着て、高い声で囀る燕がやって来るのはこの町では3月下旬から4月の初めです。
2018年初めて3月20日ごろにやって来ました。着いたばかりの燕は長旅の影響で細い体をしています。飛び方もシュイ~ッと飛ぶアノ勢いがありません。来たね!来たんだね!町の人達も嬉しそうです。
バイクの修理屋さんの大きなシャッターの内側に巣が作られた様です。今年は前田陶器屋さんの日除けの中にも巣がありました。
一週間もすると燕の体に筋肉が着いて来たのが分かります。ヒュ~ッと凄い勢いで飛ぶ様になり、土を咥えて巣の材料にしているのでしょう。
一月もすると雛が生まれたらしく、警戒心も強くなり、電線に留まってカ、カ、カ、カ…と下を通る人間に対し、威嚇音を出していますが、「あら、つばめだわ、可愛いねぇ。」と誰も怒る様子はありません。つばめは声と姿態で得をしています。
威嚇音はカラスもつばめも同じです。声とカラダの大きさが違うだけです。
梅雨の合間に差す強い日差しにもめげず、暴走族の様に飛び回るのは成長した幼鳥で、時に同じ胎の兄弟達と人家の一階に飛び込んで来たりします。やがて夏休みになり、人間の子供達がプールの道具が入った袋を抱えて歩いて居る頃には、二番目の胎の仔が生まれます。
最初に生まれた雛達は、随分高く飛べる様になりました。でも、ようやく飛べる様になった二番目の胎の幼鳥は電線に留まって親鳥に『餌をちょーだい!』と鳴いています。後、二週間位で南の国へ飛んで行けるのかい?
やがて、つばめたちの群れは飛行練習に入ります。かなり高い処迄上がったりしながら、長旅に備えます。電線にズラリと並んでいるのもこの頃です。

稲刈りの音が響いて、夜になると祭囃子の音が聞こえて季節の移ろいを感じさせます。日の出もいつの間にか、遅くなりました。もう少しで夏休みも終わる頃、ふと気が付くと昨日まで居たつばめたちが居ません。既に旅立って行ってしまった様です。
また、来年、来るよね。来てくれるよね。
2018年9月 旅立ったつばめたちへ

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タグ: 垂直仕立て栽培