ハンター福、ヒヨドリの雛を拾う

ピーッ!ピーッ!ピーッ!けたたましいヒヨドリの声が聞こえたら、傍らにいた福が表に向かってダッシュ。暫くすると、ベッドの下から雛の声がしたんです。まさかっ!?
そこで殺されるのは困る!一瞬、口から雛を離した我が家の長男格の福と雛の間に座敷箒を必死で突っ込んだ。箒を手元に引いてみると放棄に雛がしっかり掴まっている。私が助ける事になるのか?えっ、それも一寸不安だな。
左翼の付け根に傷を負っていて、未だ、数十センチしか飛べない。嘴の周りにはオバキュウがついているし、羽毛も生えそろってはいない。
親鳥が何かを叫びながら家の中を覗き込んでいた。上手くいけば親が餌をもってきてくれるかも…なんて期待したが、親鳥はあっさり諦め、来たのはこの時だけだった。それにしてもなぜ一羽だったの?何故、巣から落ちたの?烏に襲われた?それとも、青大将?
先ずは雛のお腹を満たす事が先決。頭にヒヨドリの記憶がよみがえった。東京のアパートのベランダで、雀用のご販を大きな口を開けて上を向いて一飲みしていたなぁ…大食漢な鳥だ。
ローソンで貰った割り箸を削ってヘラを作った。準備は万端!さて、ご飯以外に何を食べるのか?ウ~ン、雑食が~。ネットには『蝉を捕まえて潰すと良い』…無理だよ!木々の奥で鳴いていて掴まる訳がない、と思っていたら、玄関の中でジーッと鳴いている蝉がいたっ。これは『雛に上げよ』、とまさしく“天の声”。
可哀想だけど、蝉の頭部にドライバーを突き立てた。グサッ!でも、そう簡単には死なない。思い切って頭部を鋏で切った。中はガランドウに近く、ヒト的感覚からすると食べるところは殆どない。タラバだってもっと食べる処は在るよ。甲殻の部分は食べ難いよね、と初回は除いたけど、それはヒトの感覚なんだね。雛は二回目には大きな口を開けて、甲殻ごと丸呑みにした。
取り敢えずは食欲は旺盛。食べて30分もすると「ピーッ!」と餌の催促がある。そう言えば、現代農業でハウス栽培の果実や果菜類が出荷当日の早朝にヒヨドリに食べられて困る農家さんの対策を読んだっけ。
玄米ご飯をふやかしたり、庭のミニトマトを皮をむいて種を取り除いて与えてみた。三口くらい食べるとジーッとして動かない。ヒトの方がせっかちで待っていられない。終わりにして良いかな?、と終いかけると、『チョ-ダイッ!』と顔中口にして要求して来る。
雛に問題はない。問題は、たかだか15分の雛の食事時間に向き合う事ができない自分のせっかちさだ。
未だ、タイミングも、上げる量が掴めていない。食べれば出るものがあるから、深い段ボールに入れてティッシュをしょっちゅう変える度に福が執拗に覗き込みながら、喉を鳴らして『ソレ、僕のだよねぇ、主!』と私の顔を覗き込み所有権を主張してくる。留守にする時は段ボール毎押し入れに入って貰っている。暑いだろうけど、猫の餌になるよりはいいよね。我慢して。こうして二日目は終わった。
三日目の朝、ダニが一匹、雛の体から離れた。嫌な予感…食欲も前日に比べると若干落ちているみたい。3時間後、雛は旅立っていた。どの生き物も去る時はあっけないね。
一週間して、庭の柿の樹にヒヨドリの雛が来た。飛べるけど、未だ幼鳥。ピッピとあの雛と同じ鳴き方をする…思い出しちゃうよ。ピッピと声をかけると『ピッピ!』と返して来る。良かった…同じ胎の仔が残っていたんだ。取り敢えず、一羽は育った。ガンバレ!
2018年8月22日

投稿者

rwu6117@gmail.com

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