着物身八ツ口女性のキモノには、『身八つ口』と呼ぶ部分があります。(左写真の矢印部分参照)

  • 『身八つ口』と呼ばれた理由は、女性のキモノには 、「衿」「裾」「左右の袖口」と「袖振り口」それに「左右袖付け下の脇縫いの処にある明き口」の合計八カ所に明けている部分があるのでそのように呼ばれています。

しかし、この『身八つ口』が出来たのは、江戸時代中後期になって帯が広幅になり胸高に締めて『お端折り』で着用する様になってからです。
それ以前の女性のキモノは、現在の男物キモノと同様にお端折りの無い形(つい丈)で,袖付けが袖丈と同じに全てが縫い付けられていました。

  • その頃は、朝鮮から備前(佐賀県)の名護屋に伝来された名護名護屋帯姿屋帯(細い紐状の物で巻物や日本刀の紐に使われた紐)と云う組紐で腰の処で幾重にも回わして締めて着ていました。(右の写真参照=現在の名古屋帯とは違います=紐の部分をwクリックすると拡大されてよく見えます)
  •  文化文政年間(1804~30)頃の化政期の頃になると、地面迄届く振袖や幅広帯を使った『お太鼓結び』が大流行する様になり、帯締め位置が現代の様に胸高になるにつれて袖付けが邪魔になり袖付け位置を上に揚げて袖に振り口が出来た事で『身八つ口』が考案されました。

『身八つ口』は、体温調整の役目男女や大人と子供の区別の為にも取入れられました。
しかし、本来の目的は下記のような役目があります。

  • 現在では、お端折り時の着付け時に利用するだけにあると思っていますが間違えです。
  • 一番大切な役割は、体型や年齢に応じて袖付けを変えた時内揚げが帯締め位置から覗け見えない為に『身八つ口』の寸法を加減し調整する為に使います。
  • どの様な時に、どの様に調整するかは、仕立屋の技量ですが、標準寸法は前身頃の内揚げ位置が肩山から40cm~42cm下がる様な位置の寸法に必ずします(例.大人もの袖付け23cmの時は14cm。袖付け21cmの時は15cm。にします。
  • お客様の寸法を見て体型の良い人は15cmにします。